2ちゃんねる ★スマホ版★ ■掲示板に戻る■ 全部 1- 最新50  

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

【モー娘。年代・メンバー別能力値】

1 :名無し募集中。。。:03/12/12 10:51 ID:oGvdcY4E
独自調査です

【5人時代】 【8人時代】 【7人時代】 【8人時代】 【11人時代】 【10人時代】 【9人時代】
 平均 6.6 → 5.5   → 5.7  →  6.8   →  5.7   →  6.2   →  6.3

 中澤 *5  → *6   → *6  →  *7    →  *7   →  *7
 石黒 *5  → *5   → *5  →  *8
 飯田 *6  → *6   → *8  →  *8    →  *6   →  *5   →  *5
 安倍 10  → 10   → 10  →  *9    →  *8   →  *8   →  *7
 福田 *7  → *8
 保田        *3   → *3  →  *3    →  *4   →  *5   →  *6
 矢口        *3   → *4  →  *4    →  *6   →  *7   →  *7
 市井        *3   → *4  →  *7    →  *8
 後藤                    →  *9    →  *9   →  10   →  *9
 石川                              →  *4   →  *4   →  *6
 吉澤                              →  *4   →  *4   →  *5
 加護                              →  *4   →  *6   →  *6
 辻                                →  *3   →  *6   →  *6

2 :名無し募集中。。。:03/12/12 10:52 ID:oGvdcY4E
【13人時代】 【12人時代】 【11人時代】 【15人時代】
 平均 5.5 →  5.5   →  5.5   →   5

 飯田 *5  →  *5   →  *5   →  *4
 安倍 *8  →  *9   →  *9   →  *9
 保田 *5  →  *5
 矢口 *6  →  *6   →  *6   →  *5
 後藤 *9
 石川 *7  →  *8   →  *8   →  *9
 吉澤 *6  →  *4   →  *3   →  *4
 加護 *7  →  *7   →  *7   →  *5
 辻   *6  →  *6   →  *6   →  *5
 高橋 *4  →  *7   →  *8   →  *8
 小川 *3  →  *3   →  *3   →  *3
 紺野 *3  →  *3   →  *3   →  *3
 新垣 *3  →  *3   →  *3   →  *4
 藤本                           *6
 亀井                           *3
 道重                           *3
 田中                           *4

3 :名無し募集中。。。 :03/12/12 10:56 ID:eww+N3ew
つうか何の能力だ?

4 :名無し募集中。。。:03/12/12 23:40 ID:nlooSNdG
これ何


5 :名無し募集中。。。 :03/12/12 23:51 ID:/dtCc8qi
戦闘力か?

6 :七氏:03/12/13 09:03 ID:gkZQQcdM
>>5
ワラタ


7 :名無し募集中。。。:03/12/13 09:05 ID:ZwKLKvcu
地球人の戦闘力はゴミ程度だな

8 :名無し募集中。。。:03/12/13 09:07 ID:4k8Ty+NB
キモヲタをどれぐらい集められるかを具体的に表した数値だろ?

9 :名無し募集中。。。:03/12/13 19:01 ID:RdlnuPAG
一瞬貴闘力に見えたw

10 :名無し募集中。。。:03/12/14 02:31 ID:h4zThn2V
即死しそうなスレだ

11 : :03/12/14 03:47 ID:+fG60dLA
あぼーん

12 :名無し募集中。。。:03/12/15 00:54 ID:+UJTdqHC
ほしゅ

13 :名無し募集中。。。:03/12/15 23:57 ID:kKnoMsMI


14 : ◆/PXC/Pw04Q :03/12/16 14:05 ID:J9jA6j56
このスレ頂きます

15 : :03/12/16 17:55 ID:KPd69BXE


16 :名無し募集中。。。:03/12/16 19:47 ID:EB5PIJBo
悟空:LV47:BP260090KI138
超悟空:LV47:BP4999999:KI138
ピッコロ:LV47:BP1007000:KI181
ヤムチャ:LV45:BP70700:KI125
石川梨華:LV27:BP1800000:KI3
俺:LV3:BP125:KI2

17 :名無し募集中。。。:03/12/17 18:16 ID:ujDYpZgQ


18 :名無し募集中。。。:03/12/18 16:20 ID:3CNgNiCO


19 :名無し募集中。。。:03/12/19 01:02 ID:SZuf+qQU
ほ 

20 :名無し募集中。。。:03/12/20 00:30 ID:Khb7N9Gc
ほしゅ

21 :名無し募集中。。。:03/12/21 00:26 ID:Ll1lVQiG
ほ 

22 :名無し募集中。。。:03/12/22 00:07 ID:tREE4pVj


23 :名無し募集中。。。:03/12/22 23:50 ID:5fuHEkC4
ほしゅ

24 :名無し募集中。。。:03/12/23 23:40 ID:LfdHAqPq
ほ 

25 :名無し:03/12/24 07:43 ID:OrQrIbGH
メリークリスマス。
ところでつらつらと小説書きます いちごま

26 :名無し:03/12/24 07:45 ID:OrQrIbGH
「ああ市井ちゃんがもっともっともっともっと落ちぶれないかなあ。」
とある日私は考えた。
そう、例えば自分で暮らしをたてたり出来なくなるくらいまで。誰かに頼らなければ
やっていけなくなるほどに。市井ちゃんがもっともっと落ちぶれないかな。と私は
思う。
さしたる根拠などなにもない。ただぼんやりとそう思うだけだ。

27 :名無し:03/12/24 07:49 ID:OrQrIbGH
どんな手を使ったかはいわない。

ある夜のこと、弱ったあの人が訪ねて来た。げっそりとこけた頬、そしてぼさぼさの
髪。汚れきった襟元。それはまるで浮浪者と見まがうばかりの。
けれど夜の帳を背中むこうに受けて、街灯の光のなかギラギラと輝いているのは
いつか見た鋭い目つき。どこか翳りを帯びた瞳。
「ああ」と思った。
私、この瞳が見たかったんだ。

28 :名無し:03/12/24 07:54 ID:OrQrIbGH
「上がるぞ」といって市井ちゃんはドアを開けて廊下をずんずんと先へ歩く。私の
部屋をみまわして、薄笑いを浮かべながら言う。「いい部屋だな」
つめたい声だ。私は背筋に冷たいものを感じた。
「なあ、、、お前にひとつ聞きたいことがあるんだけど」
市井ちゃんはなおも笑いながら、顔を近づけてくる。
「なんですか。」
と私は震えをこらえながら答える。

29 :名無し:03/12/24 08:05 ID:OrQrIbGH
「あたしってもう芸能人としてはアレだろ?」
確かにアレだよ市井ちゃん、とは思うだけにしておいて、私はわざとらしく首を
振った。色んな意味をこめたつもりだった。ため息なんかもつけば、良かったの
かもしれない・・・ドラマチックで。とはずいぶん後になって思ったことだ。
「まあいいや」
市井ちゃんは頷いて懐からピストルを取り出した。
「でもさ一つ思いついたことがあるんだ──」

30 :名無し:03/12/24 08:15 ID:OrQrIbGH
というわけで私たちは真夜中の国道を走っている。スクーター、2ケツで。車通りは
全然無い。たまにダンプとか追い越してきて怖い。あと風が吹き付けてくるから寒い。
「寒いよ。」
と私が言うと、市井ちゃんは信号待ちでふりかえって、
「あたしの方が寒いっつーの」
笑いながら言う。
「ところで免許なんていつ取ったの。」
とついでにたずねてみる。市井ちゃんはまた笑う。
「ないよ」

31 :名無し:03/12/24 08:24 ID:OrQrIbGH
その時150キロくらい出してるバイクが轟音を立てて横を走りぬけた。不意に
スクーターが頼りなく思えてきて私の膝は震え出す。
「やだよ市井ちゃんこんなとこで死にたくないよ。」
と私は首のあたりにしがみつく。
「やめろバカ運転出来ないだろ」
市井ちゃんは焦ったように叫ぶ。
「いいからちょっと止まろうよ。いったん冷静に。」
「そこの原付止まりなさい。」
「ほらあの人もそう言ってるし。」
と言って私は後ろを振りかえった。もちろんパトカーだった。

32 :名無し:03/12/24 08:39 ID:OrQrIbGH
市井ちゃんは無言でスピードをあげた。しかしパトカーはスクーターの右側を凄まじい
スピードで追い越すと、進路をふさぐように止まってしまった。
「参ったな」
「どうすんの市井ちゃん。」
と私は小声でささやく。
「殺っちまうしかないだろ」
「でもさ。」
パトカーのドアが開き、警察の人が降りてくる。私の鼓動は早まる。
「ほら免許証出して・・・あれっ」

33 :名無し募集中。。。:03/12/24 23:23 ID:N4MF58S1
小説スタートおめ!

34 :名無し募集中。。。:03/12/25 22:40 ID:urPFUmOp
ほしゅ

35 :名無し募集中。。。:03/12/26 00:26 ID:9LxNiE1v
>>作者さま
小説総合スレッドで更新情報紹介させていただきたいのですが、よろしいでしょうか。
正式なタイトルがございましたら、併せて教えていただけると幸いです。

36 :名無し募集中。。。:03/12/26 22:22 ID:9cassyJl
ほしゅ

37 :名無し:03/12/27 03:41 ID:3vSlO7ty

「もしかしてモーニング娘。のひとじゃないっすか、俺ファンなんすよ」
警官はニヤニヤしながらそう言った。私は軽くしたうちをする。面倒なことになりそう
だったからだ。
「お、ほんとだゴマキじゃん、それに・・・イチイサヤカ」
もうひとり降りてきてやっぱりニヤニヤしながら、二人で頷きあうようにして何やら
目配せをしあう。
「どうすんの市井ちゃん面倒だよ」
警官に聞こえるのはまずい。私はほんとうに微かな小声でささやいた。
そしたら全然聞こえてなかったらしく市井ちゃんは微動だにしなかった。

38 :名無し:03/12/27 03:47 ID:3vSlO7ty
「とりあえず・・・じゃあ。」
「あ、そうか。じゃすいませんけど免許証出して。まあ、芸能人とは言え、ね・・・」
市井ちゃんは懐に手を入れた。ああついに市井ちゃんが人を殺す瞬間が来たんだ、と
私は背筋のあたりに何かが走りぬけるのを感じた。今までにないこの感じ。
「あれっ」
懐をごそごそしながらとつぜん、市井ちゃんは素っ頓狂な声をあげる。
「どうしました。」
警官は訝しげに顔を近づけてくる。もう死ぬともしらずに。

39 :名無し:03/12/27 03:52 ID:3vSlO7ty
ヒリヒリする空気。私は耳をふさごうか目を閉じようか迷う。いや見届けなくてはいけない
気持ちはもちろんあったんだけど。
警官は二人とも間抜けな顔をさらしたままだ。まるで1秒が1時間にも思えるような気が
するこの緊張感のなか、市井ちゃんはやがてゆっくりと顔をあげる。
そして泣きそうな声で言う。
「免許がないっ」

40 :名無し:03/12/27 03:56 ID:3vSlO7ty
「えっ」と思った。

「免許がないってのは・・・ちょっと困ったことになりますね。」
「不携帯ですか。」
警官の態度が微妙に変わったのがわかった。たぶんさっきまでのが芸能人に対しての
ソレならば今は獲物を狙うライオン・・・ライオンってことはないけど。まあそんな目つきに
なった。
「はい。どうしようガムとレシートしかないよ。どうなっちゃうんですかアタシ」
「定員外乗車に・・・スピードもずいぶん出てたし。これで不携帯ってことになるとね。
免許取り消しってことになっちゃうね。」
警官はわざとつめたい口調でそう言う。
「罰金もかなりの額になるかな。」
同僚も調子を合わせてそっけない態度だ。

41 :名無し:03/12/27 04:02 ID:3vSlO7ty
なんだかむかついてきた。いつまでもネコかぶってないで、早く撃ってよ市井ちゃん。
私は心からそう思った。市井ちゃんはと言えば頭を振りながら「うぅん・・・」とか言って
いる。そうしてやっと顔をあげて、言う。
「すいませんフェラチオするんで許して下さい。」

「なっ。」
「フェッ?」
「はっ?」
ちなみに最後のはっ?が私だ。

42 :名無し:03/12/27 04:10 ID:3vSlO7ty
一瞬聞き違いかとも思ったがしかし、振り向いた市井ちゃんは自信ありげに、私に何やら
目配せをする。なるほど油断させるための作戦らしい。とすればさすが市井ちゃんとしか
言い様がない。警官は二人とも互いに目を見合わせながら「どうするよ」「おい」みたいな
感じでもう半笑いだったからだ。
やがて二人はこちらを向く。「オホン」とか言ってから、喋り出す。
「君、自分が何を言ってるのかわかっているのかね。」
「そ、そうだ。冗談はやめたまえ。ただじゃすまんぞ。」
「冗談じゃないし・・・もちろんタダですますつもりもないですよ。」
と言う市井ちゃんの声は今までに聞いたことのない声でものすごい妖艶な響きがあって、
何故か私までどきどきしたくらい。警官に至っては尚更だろう。
「たっぷりサービスしますって・・・こいつが。」
と言って市井ちゃんは私を指差す。

43 :名無し:03/12/27 04:18 ID:3vSlO7ty
「えっ」と思った。

「お、俺ぁもう我慢できねーぞ先だ」
「ちょ、きたねーぞお前。こないだ金貸しただろ、俺に譲れよ」
二人は血走った目で私の腕をつかみ、ものすごい力で歩道へと引きずる。
また丁度良く路地があったりして。
私は今にもそこに連れ込まれようとしている。もうあちこち触られたりして、なんか
ファスナーの降りる音まで聞こえる。
助けを求めるように視線を揺らすと、目に入った市井ちゃんは何故かこっちを見ても
いない。
「かっこいいなこのパトカー。」
とか言いながらひとり離れて、助けにくる素振りも見えない。私はここではじめて
「やばい私ピンチなんじゃないの?」と思った。
「ジャンケン、ポン、あいこで。」
私は観念して目を閉じる。ああこのジャンケンが終わったら犯されるんだ、色々
されちゃうんだ。嫌だ。あたしほんとはまだ。

44 :名無し:03/12/27 04:20 ID:3vSlO7ty
>>35
タイトルが全然思いつかない ごめん
そのうち考えるから保留で

45 :名無し:03/12/27 22:34 ID:3vSlO7ty

「あいこでしょ、あいこでっ」
半ば閉じかけた意識のなか、ブルルルン。エンジンの音がしたような気がした。
私は薄く目を開ける。
「あいこでしょ!テメーグーばっか出してんじゃねぇ!」
「お前もじゃねぇか、あいこで!」
薄暗い路地。今だジャンケンにふけるバカ警官二人。そして国道へと目を向けると──

「何やってんだ後藤、はやく行くぞ」
目だけでそう言っている、市井ちゃんはもうスクーターにまたがっている。
私は弾かれたように駆け出す。

46 :名無し:03/12/27 22:41 ID:3vSlO7ty
ふたたび私たちは深夜の国道を走っている。怖いので私はちらちらと振りかえる、
けれどパトカーはもう見えないし追いかけてくる気配もない。
市井ちゃんは全然スピードを上げずにチンタラ走っている。信号がくればちゃんと
止まる。私は苛々して叫ぶ。
「ちょっとあいつ等追いかけてきたらどうするの。」
「そんな大声出さなくても聞こえるよ、ところでガム食うか」
市井ちゃんは振りかえり、クチャクチャと音を立てながらガムを差し出す。
私はそれをひったくりながら言う。
「食べるけど。そんなことより。」
「パトカーのことなら大丈夫、鍵穴にガムつめてきたから」

47 :名無し:03/12/27 22:47 ID:3vSlO7ty
市井ちゃんはにんまりと笑う。余裕たっぷりって感じだ。じゃあ助かったわけだ。
助かったが・・・この、腑に落ちない感じはなんだろう。
「なんだ、コンブのほうがよかったか」
それもあった。

信号が青に変わる。スクーターは走り出す。
風は相変わらず冷たい。まるで頬を切られるよう。

48 :名無し:03/12/27 23:05 ID:3vSlO7ty
国道を延々走った甲斐があって私たちはやっとつんくさんの家に辿りついた。
某高級住宅街の一角に聳え立つおよそ2000坪の大豪邸だ。と思う。
「誰や」
インターフォンごしに下品な声が聞こえる。
「市井ですけど」
市井ちゃんはカメラにむかって今年最高の笑顔を見せる。
ぎぎぃと門があく。

49 :名無し:03/12/27 23:11 ID:3vSlO7ty
「こんな時間に何のようや」
120畳ほどのリビングの中心に備え付けられた応接用ソファに並んで私たちは座って
いる。向かい合うようにして座っているのはもちろんつんくさんだ。
「実は」
市井ちゃんはピストルを取り出してつんくさんに向けて構える。
「新ユニットを作りたいんです」

50 :名無し:03/12/27 23:22 ID:3vSlO7ty
しかしつんくさんは笑う。
「お前そんなモデルガンで俺が言うことなんでも聞くと思ってんのか、だとしたら舐め
られたもんやな」
私ははらはらしながら市井ちゃんを見る。市井ちゃんは完璧な笑顔を崩さずに安全
装置を外す。目の奥までも笑っている。殺し屋と書いて思わずヒットマンと読んで
しまいそうなほど市井ちゃんのものごしはハードボイルドだ。さすがのつんくさんも
尻込みする。
「とは言え話くらいは聞くわ、聞きます。聞かせてくださいお願いします。」
「しょうがねぇな」
と言って市井ちゃんは足をテーブルに乗せた。
そしたらつんくさんは立ちあがって灰皿を持ってきた。

51 :名無し:03/12/28 22:57 ID:L0tYBwik

「ハロプロは出すユニット出すユニット全部うっすら被ってて差異化がぜんぜん図れて
ないと思うんですよねえ」
「俺もそう思うわ。」
「そんな時わたしは考えました。ああこれは新しい角度からのユニットが必要だな、と」
「俺もそう考えたわ。」
「そこで"殺し屋"ですよ」
「俺も・・・て、なんでやねん。」

52 :名無し:03/12/28 23:10 ID:L0tYBwik
話し合いは難航した。お互いの言い分が平行線をたどる様を私はともすれば崩れ落ち
そうになる意識を必死で支えながら眺めていた。バラついた光の粒が瞬きとともに一つ
に重なり視界を確実に減らしていく。そして私は欠伸を噛み殺す。この眠気は尋常じゃ
ないさてはコーヒーに睡眠薬でもと一瞬勘繰ったがコーヒーは出されてないからたぶん
寒いとこからあったかいとこに来たせいだ。

53 :名無し:03/12/28 23:24 ID:L0tYBwik
「というかお前事務所に籍ないもんを使ってユニットちゅうわけにもいかんやろ。」
「だからそこをなんとかしてくれって言ってるんですよ」
「俺かてそんな強い立場やないねん。独断で押しきれるはずないやんか。」
「絶対売れると思うけどな。殺し屋アイドルユニット。アイドルなのに殺し屋っていうその落差」
「確かにそれはなぁ。でもなあ・・・」
「わたしも正直気乗りはしなかったんです。でも後藤がどうしてもやりたいって」
「ほぅ、後藤が。」
つんくさんはじろっとこっちを見た。そしてしぶしぶつけくわえる。
「後藤が言うならしゃーないな。」

54 :名無し:03/12/28 23:30 ID:L0tYBwik
かくして私たちの新ユニットが誕生した。
その晩は朝まで企画会議がおこなわれた。
「ほんで誰殺るねん。やっぱ最初はあいつか。あいついっとこか。」
つんくさんは見違えるほどイキイキした目になっていた。
「とりあえず最初の標的はれいのロシア人でいこうかなと」
市井ちゃんも嬉しそうに唾を飛ばした。
私は途中までそれを見ていた。

55 :名無し:03/12/29 23:46 ID:SEr+BhpA

「聞いたよサヤカとゴッチンで新ユニット作ったらしいじゃん」
とカオリが訪ねてきたのは夜更けだった。
「耳が早いね」
市井ちゃんは嬉しそうに笑う。何故市井ちゃんが居るのかと言うと、ユニット結成が
決まってから私の家に住んでいるからだ。何故住んでいるのかと言われると、私も
ちょっと返事に困る。
「でもさー。なんで二人なワケ?せっかくだったらケイちゃんも」
とカオリは無邪気に切り出す。そう言えばそれもそうだ。
「あっ」
市井ちゃんは短く叫ぶ。それから口をつぐむ。

56 :名無し:03/12/29 23:55 ID:SEr+BhpA
カオリは不思議そうにその顔をのぞきこむ。市井ちゃんは難しそうな顔で黙りこくって
いる。私は笑いながら口を挟む。
「あ、さては市井ちゃん、ケイちゃんのこと忘れて」
「うるさい!」
市井ちゃんにぶたれて私はソファへ倒れこむ。もちろんこんなのはスキンシップの
一環だ。そう思わなきゃやってられないくらい痛かった。
「でもさーケイちゃん怒ってたよ、なんでアタシを!って」
「えっやっぱし怒ってた?」
「そりゃーもう。サヤカ・・・コロス!って息巻いてた」
カオリはカオリで面白そうに物まねを交えながら説明する。
市井ちゃんはどんどんふさぎこんでいく。

57 :名無し:03/12/30 00:05 ID:ut4Yisrn
「殺し屋が殺されちゃダメだよね〜」
なんてカオリは気楽に言う。そう言えばカオリはその美貌とカリスマ性でいつのまにか
モーニング娘。とかアイドルとか、そう言うわくを越えて芸能界ひいては裏社会のリー
ダーになりつつあるのだ。
「え、カオリそんな設定なんだ。」
とカオリが嬉しそうに言った。
「うん。」
と私は笑ってうなずいた。

58 :名無し:03/12/30 00:15 ID:ut4Yisrn
とは言え私だってうかうかはしてられない。私はなんせアイドルなのだ。それも下手し
たら明日もないような感じのアイドル。気に入らない。私こそがナンバーワンでなきゃい
けない。そんな気持ちも日に日にうすれていくようでそれがなおさら気に入らないのだ。
「市井ちゃんとりあえずカオリを殺そう。」
と小声で私は市井ちゃんに耳打ちする。
「だめだ」
「そこをなんとか。」

59 :名無し:03/12/30 00:22 ID:ut4Yisrn
「カオリをころしてそれがバレたら一生シンジケートに付きまとわれる羽目になるぞ」
「何そんな半端なことゆってんの、あんたそれでも殺し屋?」
「誰があんただよ、お前最近生意気だぞ」
「うっさいないい加減先輩ぶらないでよ。」
「お前、このバカいい加減に」
「誰がバカだって」

私たちはせまいソファの上で小一時間とっくみあいの喧嘩をした。
カオリはそれをおもしろそうに眺めていた。

60 :名無し:03/12/30 23:41 ID:ut4Yisrn

ある日目が覚めると居間に圭ちゃんが居た。
「誕生日おめでとうサヤカ。死ね。」
ギラついた目で包丁を握る。完全に殺す気であると一目でわかる。つま先から頭の
テッペン神経の一本一本にいたるまで、まるで殺意のカタマリのような圭ちゃん。
「落ち着いてケイちゃん、話せばわかるってば!危ないっ!」
対するはおそらく寝起きである市井ちゃん。パジャマにナイトキャップの殺し屋さん。

61 :名無し:03/12/30 23:59 ID:ut4Yisrn
居間のテーブルをはさんで二人は向かい合う。圭ちゃんが右にずれれば市井ちゃん
は右に。圭ちゃんが左に動けば市井ちゃんも左に。
「ケイちゃんを危険なことに巻き込みたくなかったんだよ」
と市井ちゃんは言う。
「絶対ウソ」
と圭ちゃんは言う。
「なんでバレたんだ」
市井ちゃんは首をかしげて呟く。さらに怒り狂う圭ちゃんはついにテーブルを乗り越え
て飛びかかろうとする。次の瞬間その動きがぴたりと止まる。市井ちゃんの様子が
おかしいのだ。

62 :名無し:03/12/31 00:10 ID:V0U38tY8
「なんでバレたのか・・・わからない、完璧なウソだったのに」
市井ちゃんは頭をかきむしりながら苦悶の表情をうかべる。
「ど、どしたのサヤカ」
豹変した市井ちゃんの様子に圭ちゃんは戸惑う。もちろん私は戸惑わない。奴の
やりくちはだいたいわかってきたからだ。けれど決して私が賢いというわけでは
ないのだ。
やがて市井ちゃんはがばっと顔をあげる。芝居臭い顔つきでまくしたてる。
「ケイちゃんもしかしてエスパーなんじゃないの?すげぇよその洞察力。
いやマジ完敗って感じ。乾杯。どっちでもいいや。とにかくすげぇ。市井紗耶香
土下座します。ははー」

63 :名無し:03/12/31 00:17 ID:V0U38tY8
「・・・いやそんなに言わないでよ。照れる。」
「長い付き合いだけどまさかケイちゃんにこんな才能があったとは。ケイちゃんアレだよ
もしかして探偵さんとか向いてるんじゃ?ほら眼鏡超にあうし。語学堪能だし」
「かなぁ。いやアタシもそんな気はしてたんだよねえ。」
「ああやっぱり。言うまでもなかった。そうだよねケイちゃんくらい鋭かったらそんなこと
自分で気づくよね。アタシのバカ。バカ。バカ」
言いながら市井ちゃんは自分の頭をポカポカ叩く。
圭ちゃんは嬉しそうに「事務所はどこにしようかな。」と呟いている。すでに包丁は
テーブルに置きっぱなしで、意識は遠い世界に飛んでいるようだ。
私はトコトコとテーブルへ向かい、包丁を手にとった。
それから台所へ行って、三番目の引き出しにそれを戻した。

64 :名無し:03/12/31 00:43 ID:V0U38tY8
イチイチャムオメ

65 :名無し:04/01/01 01:16 ID:UztXvMkn
アケオメ

66 :名無し:04/01/01 01:17 ID:UztXvMkn

「明けましておめでとう。」
と私は言った。市井ちゃんは笑いながら答える。
「なんだ改まって」
私はにっこり笑って鉄パイプを振り上げる。
「誕生日にスキャンダルを暴露されちゃうようなやつは死ぬべきだと思う。」

67 :名無し:04/01/01 01:20 ID:UztXvMkn
市井ちゃんは顔をしかめる。
「参ったな・・・」
「参ったなじゃないよ。とりあえず死ね。」
私は鉄パイプを振り下ろす。しかしすでに市井ちゃんは身をかわしている。
「お、落ち着けバカ」
「誰がバカよ。」
と言って私は逃げる市井ちゃんを追う。

68 :名無し:04/01/01 01:25 ID:UztXvMkn
居間にいる。私たちはテーブルをはさんで睨み合う。いつか見たシチュエーションだ。
私が右にずれると、市井ちゃんはやっぱり右にずれる。
「二人で殺しあってもしょうがないだろ」
と市井ちゃんはうつむく。
「殺し屋なんだからいいじゃない殺しあっても。」
と言いながら私は、鉄パイプ片手にテーブルを乗り越えようとする。市井ちゃんまで
あともう少しというところまで身を乗り出す。とたんに市井ちゃんの右手が動き、次の
瞬間、私は額につめたい感触を感じている。

69 :名無し:04/01/01 01:29 ID:UztXvMkn
「まだまだ甘いな」
市井ちゃんはにやりと笑う。銃をつきつけられ私は仕方なく鉄パイプを捨てる。
「卑怯だよ油断させといて。」
と私は不敵に笑う市井ちゃんを睨みつけ、ぼやく。
「お前ごときに殺されるわけないだろ」
なおも笑ったままの市井ちゃん、でもそう言う声にはちょっと元気がなかった。
「市井ちゃんのバカ。」
と言って私は泣きだす。

70 :名無し:04/01/01 01:31 ID:UztXvMkn
そのまま延々と泣きつづける。
わんわん泣く私はまるで4年も昔の私のようで、それを見ながら困る市井ちゃんもまるで
4年も昔の市井ちゃんのようだった。
だから私は延々と泣きつづけた。

71 :名無し募集中。。。:04/01/01 01:37 ID:bt47xiZr
あけおめ更新乙。

72 :名無し:04/01/02 00:38 ID:23sHtRzw

よく晴れた日の午後私は原宿あたりのオシャレな喫茶店でメロンソーダを飲んでいた。
梨華ちゃんに呼び出されたからだ。
「ハッピー教っていうの。」
梨華ちゃんは席につくなりそう言った。
「いきなりなんの話。」
と私はメロンソーダを吐き出しそうになりながら答えた。真っ白なメロンソーダを。

73 :名無し:04/01/02 00:39 ID:23sHtRzw
「宗教を作ることにしたの。全世界がみんなハッピー♪になれる宗教なの。教祖はもちろん
この、あ・た・し」

梨華ちゃんはいかにも嬉しそうに喋り始めた。きもちわるいよ梨華ちゃん。と思いながら
私はじっとそれを聞いていた。もちろんただ聞いているだけじゃつまらないし、絵になら
ないから、時々拳をつよく握って膝の上に揃えて置いたり、飲みかけのメロンソーダと
梨華ちゃんとの間で視線を揺らしたり・・・などとドラマっぽく振る舞ったりもした。なんせ
私はアイドルなのだ。

「そんでね簡単に言うとおはようのかわりにハッピー♪でさよならのかわりがグッチャー♪
なの。お布施は一日一万円を予定しているの。フロムエー見たら大体そんな感じだった
から。」

74 :名無し:04/01/02 00:40 ID:23sHtRzw
「へえ挨拶とかあるんだ。そう言えば最高ですかー。とかあったよね。あとしょーこーしょー
こー♪って。アハハ・・・」
と言って私は相槌のつもりで笑う。
するとそれを合図に梨華ちゃんの体が小刻みに震え出す。

「何よゴッチン・・・あたしいっしょけんめい考えたのに・・・ゴッチンに手伝ってもらおうと
思っていっしょうけんめい説明したのに・・・この世界がハッピーになればいいな、って
いっしょうけんめい考えたんだよ・・・?それなにのさそんなあざ笑うようなさ」
「えっ、あざ笑ってなんかないよ」
「笑ってるじゃない!」
梨華ちゃんのアニメ声が響き渡ってもさすが原宿あたりのオシャレな喫茶店。それくらいじゃ
ビクとも雰囲気は揺らがない。

75 :名無し:04/01/02 00:43 ID:23sHtRzw
「ごめん梨華ちゃん・・・でも私宗教って言ったらそれくらいしか思いつかなくて」
「宗教なんてコトバ使わないでよゴッチンのばかっ!」
大声でそう叫び、梨華ちゃんは泣きながら席を立って駆け出した。
ウェイトレスとかウェイターとか他の客とかが全員ほんのりと見守る中、すさまじいスピードで
梨華ちゃんはレジの横を走りぬけて表の電柱に激突した。
私は伝票を手にとってゆっくりと立ちあがる。

76 :名無し:04/01/02 22:55 ID:EoNvgo+N

「まさかほんとに作るとはな」
市井ちゃんはテーブルの上に足を乗せ新聞を読んでいる。行儀が悪いからやめろという
とぶたれる。ぶたれるのがわかっていても私は時々「行儀が悪いからやめろ」という。
「ハッピー♪教、日本武道館で初集会!だってよ。新聞に広告まで打ちやがってまるで
コンサートじゃねえか」
「でも結構ひとが集まるみたいよ。」
と私はあいづちをうつ。
「それで困ってるんですよぅ」
というのはよしこだ。

77 :名無し:04/01/02 23:03 ID:EoNvgo+N
「梨華ちゃんの暴走を止められるのは二人しかいないと思って。」
よしこは封筒を取り出して、哀願するような目つきになった。
「財産かき集めてきたんで、これでどうか奴をころしてください」
「奴って誰だよ」
市井ちゃんは封筒を受け取りながら言う。
「正体はわからないんですけど、梨華ちゃんをあやつってる奴がいるんです」
「あやつってるってお前」
「じゃなきゃ梨華ちゃんがあんなになるはずはないんだ」
ハムレットばりに頭をかきむしるとよしこは叫んだ。
「お願いしますどうにかして梨華ちゃんを元の梨華ちゃんに戻してあげてください!」
そしてよしこは駆け出す。市井ちゃんはその背中に言葉をかける。
「ってお前これ三百円しか入ってないじゃねえか。おい待て。待てって」

78 :名無し:04/01/02 23:10 ID:EoNvgo+N
「ありゃダメだ、完全にノイローゼだな」
よしこが出て行ったドアを見つめながら、市井ちゃんは呆れたようにため息をつく。
「で、どうするの、受けるの?」
と私はビスケットを食べながら言う。
「受けるも糞もこんなんどーしようもないだろ、大体300円じゃ交通費にだってならない」
市井ちゃんは封筒を投げ出す。テーブルにあたってチャリンと音がする。私はそれを
拾い上げながら言う。
「でもよしこは友達だから。」

79 :名無し:04/01/02 23:15 ID:EoNvgo+N
「友達だからってこんなもん、どうにも・・・待てよ。お前さてはあいつと」
妙な目つきで市井ちゃんは立ちあがる。
「何よ。市井ちゃんには関係ないじゃない。」
と私は目を伏せる。
「そうか・・・いつからだ、いつからなんだこの女(アマ)?」
「いつからだっていいでしょう。なに、市井ちゃん妬いてんの?」
「うるせーあいつとアタシどっちが良かったんだ、ほら言ってみろ、ア?」
市井ちゃんは真顔で私に迫る。
もちろんこれもプレイの一環だ。

80 :名無し募集中。。。:04/01/03 18:07 ID:hAZQZIER
シュールだなぁ。オモロイよ。

81 :名無し:04/01/03 19:33 ID:0oBsqZgC
あー、ツジカゴ脱退だそうです
>>80さんに誉められて軽く浮かれてた気分がなんだか・・・
なんだ?



82 :名無し:04/01/03 19:36 ID:0oBsqZgC
「ユニット組んだはいいものの、うちら全然仕事してないな」
と言って市井ちゃんは縁側で足をぶらぶらさせる。
「そうだよ青春は短いんだよ、今のうちに輝くだけ輝かないと。」
と私はドラえもんを読みながら言う。
「少女の時間は一番美しくて儚いからな」
と言って市井ちゃんはやたら詩的な顔つきをした。私はまるで少女漫画の世界に迷い
込んだような気分になった。
「ああ美しくて儚いままずっと居れたらいいのになあ。」
私はそんなことを呟く。
「よし、ツジとカゴを殺そう」
と言って市井ちゃんは立ちあがった。

83 :名無し:04/01/03 19:43 ID:0oBsqZgC
というわけでモー娘。の楽屋にいる。人は全員出払っているらしく影も形もない。私たちは
顔を見合わせてニヤニヤ笑う。待ち伏せだ。古今東西老若男女を問わずに訪れるあの
感情、つまり待ち伏せの時に感じるあの昂揚感。それが私たちを限りなくニヤニヤさせた。

「ああ早く撃ちてえ。なんて言おう。なんかカッコいいセリフないかな後藤?」
「市井ちゃんダメだよにやにやしちゃ。ゴルゴみたいな感じで行こうよ。」
「一つ人の世の生き血をすすりぃ」
「やばい興奮して鼻血出てきた。」

84 :名無し:04/01/03 19:47 ID:0oBsqZgC
とりあえず私はティッシュを鼻に詰めた。市井ちゃんが首の後ろをとんとんと叩いてく
れる。叩きながら市井ちゃんはこんなことを言う。
「しかし考えてみたらお前ともながい付き合いだよな」
そして私もしんみりと答える。
「そうだよね市井ちゃん思えばながい付き合いだよ。」
楽屋の鏡に二人がうつる。鏡越しに目が合ってそれが合図に変わる。それから
私たちはしみじみ思い出話を語り合った。それはまるで汲めども汲めども尽きない
神話の泉のように後から後からあふれて、私たちの心をどんどんと子供にかえした。
「あたし最初はさ、市井ちゃんのこと嫌いだと思ってたんだけど、うるさい先輩って
感じでさ・・・でもさ・・・」
「わかってるよ後藤・・・」
市井ちゃんが涙を我慢しているのに気づいて私はなおさら泣けなくなって、それで
なおさら泣きたくなった。
私たちはいつまでもそのままの姿勢で、鏡越しに見つめあいつづけた・・・

85 :名無し:04/01/03 19:49 ID:0oBsqZgC

 その頃楽屋の外では辻と加護が立ちすくんでいた。
 ドアを開けようとして、異様な雰囲気を察知したのだ。
「見てみ、泣いとるで・・・」
 加護が小声で言う。
「なんでかってに楽屋に入ってんだろう・・・」
 辻も小声で呆れたように呟く。
「ああはなりとぉないなぁ・・・」
「だいじょうぶだよあいぼん、ああはならないよ・・・」
 どちらともなく、二人は顔を見合わせる。
 そして微かに笑う。すこし疲れたように。


86 :o:04/01/06 02:55 ID:jIFfDL7f
o

87 :名無し募集中。。。:04/01/07 20:34 ID:I2zu3X0c


88 :名無し:04/01/07 20:36 ID:AeNwxvlK

「探偵事務所つくったんだ」
と圭ちゃんがカッコいいべスパに乗って訪ねてきた。私たちはちょうど家でうどんを食べ
ているところだった。圭ちゃんはカッコいい帽子を被っていた。圭ちゃんはカッコいいサン
グラスをかけていた。圭ちゃんはカッコいいスーツを着ていた。圭ちゃんは…
「もういいから」
と市井ちゃんに言われ、私は半泣きでカマボコを口に放り込む。

89 :名無し:04/01/07 20:40 ID:AeNwxvlK
「なんかいい仕事ないかな」
と圭ちゃんは腕組みをして言う。それはこっちの台詞だったが言わない。言ったら負けの
ような気がしたからだ。プライドだけは捨てちゃいけない、そうだよね市井ちゃん。
「そりゃこっちのセリフだよ・・・ああ、なんかいい仕事ないかな」
ため息交じりに市井ちゃんは言う。私は半泣きでずずっとウドンを啜り上げる。

90 :名無し:04/01/07 20:46 ID:AeNwxvlK
「でも二人は殺し屋になったんでしょ?仕事しちゃったらつかまんじゃん」
と圭ちゃんはさらっと、言ってはいけないことを言う。
「大丈夫だよアイドルなんだから」
市井ちゃんもさらっと返す。
こんなんでいいのだろうか。私たちはハードボイルドなヒットマンになるはずじゃなかった
のだろうか。そんな思いが私の胸に宿る。
「ねえ市井ちゃんあたしたちってハードボイルドなヒットマンじゃなかったの」
と私はついに口を挟む。
市井ちゃんは笑う。
「うどん食いながら何言ってんだお前」
圭ちゃんも笑う。私は半泣きで最後に残しておいた卵をつるつると飲み込む。

91 :名無し:04/01/07 20:51 ID:AeNwxvlK
「やっぱ世の中甘くないよねえ」
と圭ちゃんが険しい顔でぼやく。
「ほんとだよ圭ちゃん」
と市井ちゃんもしみじみ呟く。
そしてわけのわからない衝動に突き上げられた私は、一気にうどんを汁まで飲み干す。
それから丼を放り投げる。それは壁にあたってがしゃん、と音をたてる。私はあふれでる
感情そのままにわめきちらす。
「そんなんでいいの二人とも。夢に向かって走りつづけてこそ青春でしょ!それを何、魚の
死んだような目でぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃさぁ!そんなんでいいの?昔の二人は違った
じゃん、もっとこうあつくて!」
私はぜいぜい言いながら口を閉じる。なんとなく満足したのを感じる。

92 :名無し:04/01/07 20:54 ID:AeNwxvlK
そして二人は魚の死んだような目で割れた丼を見ている。
やがて、だるそうに圭ちゃんがため息をつく。
「あーあ」
「何やってんだお前、ちゃんと片付けとけよ・・・」
「何も割ることなかったのに。」
「でも後藤の言うことももっともだ、確かに最近うちらはアツイものを忘れてる・・・」
「そうだサヤカ、ピンポンダッシュしに行こうよ」
「それだ圭ちゃん!やるか久しぶりに」
「負けないわよ!」

「ゆ・・・め・・・がある限り・・・♪」
割れた丼のかけらを、拾い集めながら私は、ふとそんな歌をくちずさむ。
二人はドアも閉めずに出ていった。
一人きりの居間で私はゆっくりと泣く。今度こそ全泣きだ。

93 :名無し:04/01/08 18:06 ID:QIQx3RnJ

早朝、いきなりよしこが怒鳴り込んできた。
「こないだの件はどうなってるんですか。」
手には新聞を持っている。ぐしゃぐしゃになったそれを開くとどうやら広告のようだ。市井
ちゃんがいかにもダルそうにそれを読み上げる。
「あ・・・ハッピー♪教・・・初集会・・・本日開催?」
>>76-77で言ってた話ですよ。梨華ちゃんがとつぜん宗教つくるとか言い出してその件で。」
>>76-77ってなんだよ。ワケわかんねえよお前」
「梨華ちゃんをとめてくれって言ったじゃないですか。それなのに全然。」

94 :名無し:04/01/08 18:12 ID:QIQx3RnJ
そんな話を背中に、私は台所に移動する。コポコポといい音をたてながらお茶を入れる。
「しょうがないだろ>>78-79で盛り上がっちゃったんだから」
>>78-79ってなんですかワケわかんない」
「つまり・・・ええと、言わせんなよバカ、撃つぞ」
市井ちゃんは顔を真っ赤にしてピストルを出す。
「そうやってなんでも暴力で解決できると思ったら大間違いですよ」
よしこも切れ気味でメンチを切る。
私は台所でお茶をずずっとすする。
それにしてもいい天気だ。

95 :名無し:04/01/08 18:17 ID:QIQx3RnJ
題名は「おきざりハート'04」で
もっとも今思いついただけなんで苦情がきたら変えます

96 :名無し:04/01/09 19:54 ID:IbJ2U8bn

天気のいい日だ。駅へと続く坂道を私たちは仲良く歩いている。冬の陽射しは枯れ木に、
アスファルトに、電柱に、そして汚れた壁にも平等に降り注ぎ、汚れきったこの街も、ほんの
わずか一瞬だけその輝きを取り戻したように輝く。
冬だ。

「ああめんどくせえ。この寒いのにわざわざ武道館まで」
「しょうがないじゃん仕事なんだから」
浮き浮きしながら私は言う。そして手を市井ちゃんの腕に巻きつける。
「やーめろ鬱陶しい」
市井ちゃんも言うだけでほどこうとしない。結局駅までそうして歩いた。

97 :名無し:04/01/09 20:02 ID:IbJ2U8bn
「とりあえず九段下ってどうやって行きゃいいんだっけ」
「えっとね上野で乗り換えて。」
路線図とにらめっこする私たち。
二人とも電車は好きじゃなかった。

「ああ今日も寒いね市井ちゃん。」
「着るか?」
そう言って上着を脱ごうとする市井ちゃん。
決して脱がないのは知っていたがそれでもよかった。

よくわからないけど、なんだか素晴らしい時間に感じた。

98 :名無し:04/01/09 20:04 ID:IbJ2U8bn
九段下の駅を降りるとすでに武道館へ向けての大行列が出来ていた。どうやらハッピー♪教の
初お披露目は大盛況のようだ。
「この中からイシカワを操ってるやつを探せっつーのか」
そう呟いて市井ちゃんは、駅前を埋め尽くす異様な集団をうんざりしたように眺めまわす。
「これが青春なんだね市井ちゃん。」
と私は太陽を見ながら笑った。
「何言ってんのかわかんねえよ」
「おいしいクレープ屋さんへ行こうか。」
と言って私は市井ちゃんの手を引く。手を引いてそのまま坂を上がってまっすぐまっすぐ
まっすぐ靖国通りを辿ればそこはもう新宿だ。

99 :名無し:04/01/09 20:12 ID:IbJ2U8bn
「って、なんで新宿に居るんだバカか」
もう傾きかけた夕陽を睨みながら市井ちゃんは私をぶった。
「だって。だって。」
私は駄々っ子のようにぐしゅぐしゅと泣きじゃくった。いつまでも泣き止まない私をついに
持て余したらしく、市井ちゃんはため息をついて、
「わかったよ、クレープだな。買いにいこうぜ」
と言い、私の手を引いた。
私は手を引かれてどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも明治通りを連れて行かれる。
気がつけばそこはもう原宿だ。

100 :名無し:04/01/09 20:15 ID:IbJ2U8bn
「世界のどこにも見あたらないよな♪」
「その歌しらねぇ」
市井ちゃんが呆れたようにため息をつく。
私は口を真っ白にしながらクレープにかぶりつく。
そんな私を見ながら市井ちゃんは、すこしだけ笑って夜空を見上げる。
私も釣られて夜空を見上げる。
都会の夜空には星が一つもみえなかった。
それはそれで悪くはなかった。

101 :名無し募集中。。。:04/01/10 14:21 ID:JygJCxIH
小説おもろい
がんばれ作者

102 :名無し娘:04/01/11 20:20 ID:ws6RqhTt
【苦情】
あまりに面白いのでタイトル変えてみて下さい

103 :名無し募集中。。。:04/01/12 23:55 ID:JdoNTYx5


104 :名無し募集中。。。:04/01/13 20:20 ID:bLgvGiml


105 :名無し募集中。。。:04/01/14 19:22 ID:31iI3jUJ


106 :名無し募集中。。。:04/01/17 02:16 ID:35LrXgKl
保守

107 :名無し募集中。。。:04/01/17 18:36 ID:qJl+XZkH


108 :名無し:04/01/17 20:13 ID:pvcVX/AA
悪くはないがやっぱり星空が1番だよね♪

fin

109 :名無し募集中。。。:04/01/18 01:22 ID:NvKQe3Eb
本気か?

110 :名無し募集中。。。:04/01/19 02:50 ID:EdX96kRR
面白すぎなので頑張ってください

111 :名無し募集中。。。:04/01/24 17:26 ID:eHQR7/MQ
本当に>>108で終わりだったら笑える。

112 :名無し募集中。。。:04/01/24 19:14 ID:tdgENJFe
狼に立った小説スレで未完について言及していた「名無し」という人がいたから
時期的にありえないこともない

113 :名無し募集中。。。:04/01/24 22:31 ID:vOQ7F7qt
>>111
だとしたらすげー終わり方だな
この小説の作者らしい終わり方か?

114 :空気嫁 ◆v/1SSCML0. :04/01/26 21:44 ID:20rHb4jC
モームス言うな

115 :名無し:04/02/02 03:36 ID:Pqapetud
じゃあ心機一転

116 :名無し:04/02/02 03:38 ID:Pqapetud
題名はおきざりハート・R で
例によって苦情が来たらすぐ変えます

117 :名無し:04/02/02 03:39 ID:Pqapetud

市井ちゃんが突然壊れた人形みたいに笑い出した。
「ケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラケラ」

「マキうるさいからその人形を捨ててきなさい。」
とお母さんが怒鳴るの。仕方なく私は市井ちゃんを抱えて外に出た。

118 :名無し:04/02/02 03:41 ID:Pqapetud
市井ちゃんは外に出ても相変わらずケラケラケラケラ笑っていた。
町をゆく人々はみんなこっちを見ている。
「これはきっとケラケラ病にちがいない。」
と私はうなずいた。そして私はケラケラ笑う市井ちゃんを連れて病院へと向かった。
恥ずかしいなんてことはあんまりなかった。むしろちょっとしたヒロイン気分に
酔い痴れていたのだった。

119 :名無し:04/02/02 03:52 ID:Pqapetud
そしたら待合室で看護婦さんが怒鳴るの。
「ちょっとすいませんほかの患者さんの迷惑になるので。」
と言って私と市井ちゃんは襟首をつかまれ、強制的に別室に移された。そこで
待っていろ、ということなのだろう。でもそんな迫害には負けまいと私は唇を
ぎりぎり噛み締めた。市井ちゃんは相変わらずケラケラと悲しそうに笑っている。

別室には一時間くらい居た。薄暗い別室は目を凝らすとホウキやチリトリなんかが
転がっていて、どう見ても物置だったけど、私たちは抱き合ったまま待ち時間を堪えた。

120 :名無し:04/02/02 04:01 ID:Pqapetud
先生は見るからに怪しげな関西弁をあやつる女医だった。
「あんなあ自分ケラケラうるさいで。」
と女は開口一番なまめかしく脚を組替えながら言った。
「そういう病気なんです。市井ちゃんはそういう病気。」
「どんなやねんそれ。まあええ、んじゃちょっと体温測るからな。」
と言って女医は市井ちゃんの服を脱がしだした。
市井ちゃんは恥ずかしそうに頬を染めてケラケラ笑う。
私は金属バットを取り出した。

121 :名無し:04/02/02 04:06 ID:Pqapetud
第一話終わり

122 :名無し:04/02/02 04:08 ID:Pqapetud
第一話のタイトルは「ケラケラ病になった市井ちゃん。」で

123 :名無し:04/02/03 01:50 ID:Xudji8rK

「ああなっちゃったからにはもうあの町には居られない。」
終電を待ちながら私は、深夜のベンチで市井ちゃんを抱きしめた。
「二人で逃げよう市井ちゃん、あたしなんでもするから。皿洗いでも。売春婦でも。」
市井ちゃんはケラケラと笑った。それからふっと笑うのをやめて首を落とした。同時に、市井ちゃんの
体から力が一気に抜けていく。電池の切れた人形のように。
「市井ちゃん?市井ちゃん!市井ちゃあああああああん」

124 :名無し:04/02/03 01:54 ID:Xudji8rK
どうやら寝てる間はケラケラがおさまるようだった。
考えてみればケラケラ笑いながら寝ることは人間として不可能だろうし。
私は眠っている市井ちゃんをベンチにそっと横たえた。時計は12時を少し
回ったところだった。終電まではまだ間がある。誰も居ない二人ぼっちの
ホームに、その時つめたい風が吹き抜けて、空き缶をコロコロと切なく転がした。
市井ちゃんは私が守る。さようならこの町。もう来ない。
そうつぶやいて私は携帯電話をゴミ箱のなかに入れようとしたが
なんとなくやめておきました。

125 :名無し:04/02/03 01:55 ID:Xudji8rK
第ニ話のタイトルは「run run runaway train」で

126 :名無し募集中。。。:04/02/03 23:32 ID:5+65S4/e
なんつーか、言葉のリズムがすんごいよね。
話のねじれ具合も好きだけど。ひっそりと期待しておりますよ。

127 :名無し:04/02/04 23:13 ID:lpN8qEVb

町を遠く離れる列車。車窓を流れる夜景が私の心を慕情で満たす。胸一杯に
あふれるこの気持ち。私たちは全然知らない町に向かっていました。
四人がけの向かい合った座席、そのかたっぽを占領して、私のひざの上で
市井ちゃんは寝ています。幸せそうな顔で。車両はガラガラ。
なのに向かい側の座席には、スーツ姿の女が二人、座っている。

128 :名無し:04/02/04 23:21 ID:lpN8qEVb
二人は感じ悪くひそひそ話をしている。
「なんでも犯人がこの電車に乗り込んでいるのは間違いないらしいよ。」
「でもどうやって見分けるの。写真もないのに。」
「女の二人組らしい。」
と言った後、ちっちゃい方が私をじろっと睨む。
「なるほど、女の。」
でっかい方(ホクロがいっぱいあった)も私をじろっと睨む。
私はふっと目をそらす。

129 :名無し:04/02/04 23:28 ID:lpN8qEVb
どうやら二人が刑事なのは間違いなさそうだった。よりによって刑事と乗り合わせるとは。
これでも私たち逃亡者なのに。私はぐっと唇を噛む。なんてことだ。
「そうなんだよ。なんでも後藤マキとかいう女が。」
「医者を金属バットで撲殺なんて。」
「まったく。悲惨な事件だ。」
女二人は相変わらず話しながら私の様子をちらちら伺っている。明らかに何かいいたげな
感じだ。無言のプレッシャーとゆうやつだ。

130 :名無し:04/02/04 23:38 ID:lpN8qEVb
そもそもガラガラの車内で向かい側に座る時点で失礼だ。私は先制攻撃をしかける。
「ちょっと。そこの二人。」
二人はうさんくさそうに顔を上げる。
「こんなに席が空いているのに、なんでわざわざ真向かいに座んのよ。」

すると二人は面食らった顔になる。ちいさい方が呆れたように言う。
「だからさっきお断りしたじゃないですか。よかったら一緒に行きませんか、って。」
「ねえ。」
何を言っているんだろう。そんな覚えはなかった。
「適当なこと言わないでよ。」
「いや、ほんとですよ。」
二人はいかにも心外だって感じで目をまるくしている。嘘をついているようには
見えない。

131 :名無し:04/02/05 00:08 ID:mvOZAoMo
ぶんぶんと首を振る。二人が乗り込んできたときを思い出そうとする・・・が、なぜか
ちっとも思い出せない。というか不思議なことに、10分くらい前から記憶が途切れて
いるような気がする。
「あたし・・・なんて言った?」
「いいですよ、旅は道連れ世は情けって言うじゃないですか、って。」
「それをあたしが言ったの?」
「はい。にっこり笑って言いました。でも寝てる人がいるから起こさないでねって。」
「そんでチューとかしてたよね。」
「あー、してたね。」
なんてことだろう。よりによって市井ちゃんにチューしたことまで覚えてないなんて。
酔っ払ってもいないのに。

132 :名無し:04/02/05 00:24 ID:mvOZAoMo
とにかくこの場をごまかす必要があった。仕方なく私は「わかったよ」と言って
腕組みをする。
二人はなおも不思議そうにヘンな人を見る目つきで私を見る。
とすると私がヘンな人なのだろうか。なんだか納得がいかなかった。

「とりあえず後藤の連れの女は市井とか言う、ケラケラ笑う病気らしい。」
「なんですか、それ。」
「あたしも知らないよ。でも捜査の手がかりにはなるだろ。」
二人はまたひそひそ話を開始する。私はなんとなく気まずくなる。上げた手をどこに
おろしていいやらわからなかった、そんな小学校の教室を思い出す。
「ねえ。あんた達刑事さん?」
と仕方なく私は声をかける。すると二人は顔を上げる。笑い出しそうな顔で、言う。
「はい。」
「さっきも言ったじゃないですかあ。これでもう三回目。」
私は再び腕組みをする。
もちろんそんな記憶はない。

133 :名無し募集中。。。:04/02/05 20:21 ID:EcDPUyuN
師弟同士の対決だな

134 :名無し:04/02/05 23:17 ID:mvOZAoMo

女はヤグチと名乗った。ホクロのあるほうはヨッスィというらしい。変な名前だがおそらく
ロシア人なのだろう。
「そんでねー。大変なのよ刑事の仕事も。」
「まじで?そんなことすんの?」
私たちはすぐ打ち解けた。私は膝の上の市井ちゃんを起こさないようにしながら
楽しく雑談をした。
「プリクラ見せてよ。」
「これねえ。」
私は手帳を自慢げに見せびらかす。一ページ全部市井ちゃんと私のプリクラで
埋め尽くされた手帳をみながら矢口さんは「あはは・・・」と控えめに笑う。
そして、なぜかホクロは厳しい表情をしている。
「主任。」
ホクロはなにやらひそひそと感じ悪く耳打ちをする。

135 :名無し:04/02/05 23:23 ID:mvOZAoMo
とたんに矢口さんの目つきが変わる。
「おい。あんた後藤だろ。後藤マキだな。」
「な。」
「とぼけてもムダだ。ここに書いてある。」
指差されたプリクラには確かに文字がくっきり書かれている。
『ごとー いちーちゃん (はぁと』
私は首を振った。
後藤だと何がいけないのだろう。というか何故マキまでばれている?

136 :名無し:04/02/05 23:33 ID:mvOZAoMo
「あれ?知り合いだったっけ。どちらさま?」
「どちらさまじゃない。お前昨日の夕方金属バットで人を襲っただろう。」
「逮捕する。」
二人はがばっと立ち上がってじりじりと間合いを詰めてくる。
逮捕ということは、この二人は刑事らしい。そう言えば刑事っぽいスーツにも
見えないことはない。なんてことだ、逃亡者なのに刑事と雑談してたなんて。
私は混乱しながら言う。
「えっと、もしかして二人は刑事?」
「何回言えばわかるんだ。」
「お前記憶喪失か?」
二人は呆れたように、同時につっこみを入れるような口調で言う。
私はぶんぶんと頭を振る。言われてみれば、10分くらい前から記憶がない。
駅のベンチで市井ちゃんを抱きしめた。そこからぽっかりと記憶が飛んでいる。

137 :名無し:04/02/05 23:44 ID:mvOZAoMo
「矢口主任、こいつ本気で忘れてるみたいですよ。」
「そうみたいだな・・・なんかあの映画みたいだな。」
二人はなんだか珍しそうにこっちを見ている。
「もしかしてあたし、十分前の記憶がなくなってる?」
と私は頭をかかえた。なんてことだ。聞いたことのない奇病じゃないか。聞いたことの
ない奇病。重い病気。不治の病。ヒロイン。病弱。
私はうふふと笑う。
「聞いたことないっていうか、それってパクリじゃん。」
と矢口という刑事が言った。
よく聞こえなかったが、どうせ十分経てば忘れるし。
ちょっと違うし。

138 :名無し募集中。。。:04/02/06 19:24 ID:fdHhkhZp
( ´D`)<ごっちんもおばかさんれすね

139 :名無し:04/02/06 23:34 ID:dia9qOym
「えっと後藤マキ、あんたがトーキョー都エドガー区の女医H.Mさんを金属バットで
撲殺した事件はもうばれてるんだよ、神妙にしな。」
「あの女医さんはとってもいい子だったのに。」
二人はそう言って、再びじりじりと間合いを詰めてくる。
私はこのピンチを切り抜けるために頭脳をフル回転させる。

「えっと、違うんです。あたし後藤マキじゃありません。後藤マキはこの人。」
と言って私は市井ちゃんを指差す。
「なんだって。」
矢口さんは怯む。手元の書類をぱらぱらめくりながらホクロがファットな声で言う。
「矢口主任、なんでも後藤マキは金髪のロング・ヘアーという情報が。」
「なんだと。・・・ぜんぜん違うじゃないか。この寝てる女は黒髪だ。」
「ついさっき染めたんです。」
「なにい。」
「じゃあお前は誰なんだ。」
「あたしは市井サヤカって言います。」

140 :名無し:04/02/06 23:43 ID:dia9qOym
二人は腕組みをして「ううん」とか言っている。あとは市井ちゃんを起こそうと
する二人を突っぱねながら逃げる時間を稼ぐ、という作戦だった。我ながら天才的だ。
「ふざけんなそんな言い訳が信じられるか。」
「言い訳なんてしてません。」
「大体市井って女はケラケラ笑う病気じゃなかったのか。」
「あっ。」
言われてみれば市井ちゃんはケラケラ笑っていない。かわりにすうすうと可愛い
寝息を立てているだけだ。可愛い寝顔だ。私はちょっと微笑みながら、言う。
「・・・なんか寝てる間はおさまるみたいですね。」
「だってお前起きてるじゃないか。」
「はあ?市井ちゃんはこのとおり寝てるじゃないですか。」
「市井?ってことはやっぱお前が後藤なんじゃないか、逮捕する!」

141 :名無し:04/02/06 23:50 ID:dia9qOym
どうやら女二人は刑事らしかった。なぜ私が後藤とバレたのかはわからないが、
どうも気づかないうちに手帳を調べられたらしい。我ながら痛いミスをしたものだ。
二人はじりじりと距離を詰めてくる。
私はこのピンチを切り抜けるために頭脳をフル回転させる。
「そう言えば向こうの車両にも後藤とか言う女が居ました。」

「なにい。本当か。」
「はい。市井ちゃん♪とかいってキスしてました。二両向こうです。」
「ウソをつけ。どんな服装をしていた。」
「黒いキャミソールに金髪です。あと可愛いブーツを履いていました。」
「ほう。どこのブーツだ。」
「わかりません、でも可愛いブーツでした。とにかく可愛いブーツで。」
「ほう。そんなに可愛いブーツか。ギャルっぽかったか?」
「主任。」
「いや、悪いなんでもない。ご協力感謝する。」
「えっ。」
主任と呼ばれた女はすたすたと隣の車両に歩いていく。ホクロが「いいんですか」とか
言いながら追いかけていく。

142 :名無し:04/02/06 23:52 ID:dia9qOym
二人は出て行った。私はほっと息をつく。
どうやらひとまずの危機を凌げたらしい。
「市井ちゃん市井ちゃんはあたしが守ってあげるからね。」
と言って、膝の上の市井ちゃんを見下ろす。前髪をそっと指で梳く。綺麗な睫毛が見える。
端正な寝顔に静かな寝息。私はしばし見とれる。
静かにリズムを刻む夜行列車、膝の上には市井ちゃん。
なんて素敵な旅なんだろう、私はあまい想いにふける。気分は銀河鉄道。
その時どかどかと言う足音がして、車両に誰か入ってくる。

143 :名無し:04/02/06 23:55 ID:dia9qOym
ぶち壊しになった雰囲気。私は恨みがましく足音のした方に目をやる。
「おい、誰も居なかったぞ。」
「よくも騙してくれたな。神妙にしろ。」
でかい女とちいさな女がワケのわからないことをわめきながらこちらへと近寄って
くるのだ。真夜中の列車。スーツ姿。口汚い口調。意味のわからない因縁。
チンピラにちがいなかった。
膝の上には市井ちゃん。
私はゆっくりと立ち上がって、金属バットを取り出す。

144 :名無し:04/02/06 23:57 ID:dia9qOym
なんとなく第二話終わり

145 :ねぇ、名乗って:04/02/07 09:22 ID:CNHSv/0W



146 :名無し募集中。。。:04/02/08 21:47 ID:kWZYTAj2
なんとなく( `.∀´)

51 KB
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

★スマホ版★ 掲示板に戻る 全部 前100 次100 最新50

read.cgi ver 05.02.02 2014/06/23 Mango Mangüé ★
FOX ★ DSO(Dynamic Shared Object)